脳動脈瘤の治療法【3】 血管内治療(コイル塞栓術)

血管内治療(コイル塞栓術)の流れ
(入院から退院まで約1週間)
- 手術に同意
- 入院(手術前日まで、当日も可)
・手術数日前から抗血小板薬を服用し、血を固まりにくくする。
- 手術当日(通常手術は1~3時間程度)
・手術前に飲食の制限
・局所麻酔/全身麻酔
・カテーテルの挿入
・コイルをつめる
・術後30分〜1時間で覚醒(全身麻酔の場合)手術前
手術後
・X線透視脳血管造影を行いながらカテーテルを脳の血管まで進める。
・コイルを脳動脈瘤の中にすき間なく充填する。
・脳動脈瘤の入口が広い場合や形状が不規則な場合は、複数のカテーテル、バルーン、ステントを使うこともある。
・治療中に出血が起きて止血が困難な場合には、開頭手術に切り替えることもある。 - 翌朝(又は術後6時間)まで安静を保つ
・術後検査(CT検査、MRI検査、血液検査、脳波検査):脳への影響を確認
- 退院(術後4~7日目が一般的)
<術後のフォローアップ>
- 抗血小板薬を服用(術後数ヵ月またはそれ以上継続)
- 術後2年は頻繁に検査
・頭部X線撮影:コイルの変型有無を確認
・MRI・MRA検査:脳の状態、血管の状態を確認
・血管造影:術後半年~1年に行うことが多い。再発を確実に確認できる。 - 術後2年の検査で瘤の再発がなければほぼ完治とみなすが、希望があれば1年に1回程度受診します。
<術後の注意点>
- 術後、瘤の増大がみられたら
- コイルの変型などにより瘤が再び増大することがあります。増大が続く時は、放置すれば破裂の危険性が高まるため再度、手術が必要です。開頭手術(クリッピング術)を行うのか、あるいは血管内手術(コイル塞栓術)を再び行うのか、再度検討を行います。
- 血栓症に注意しましょう
- コイル塞栓術に特有の現象として血栓ができやすくなります。血栓とは血液のかたまりで、血管の中にできると血液がうまく流れなくなります。血栓が脳血管を塞ぐと脳にダメージを与えます。これが脳梗塞です。血栓症を予防するために服用するのが抗血小板薬です。医師の指示通りに飲みましょう。
<術後の生活>
- 術後4~7日後で、もとの生活に戻ることができます。
- 血圧に注意しながら普通の生活を送ります。